解体工事と臭い

神戸市垂水区で解体工事を行っている。

解体工事には現場の安全と近隣にお住まいの皆様への配慮が重要となる。
騒音のない工事は現実的に不可能だが、
だからといって「工事が終わるまで我慢してください」では話にならない。

着工前に近隣の皆様にご挨拶と工期のご連絡を行い、
ご案内状には担当者の携帯番号や会社情報を記載しお渡しする。

いつまで続くのか分からない工事はストレスでしかなく
しっかりと工事期間のご説明と安全チェックを行うことをお約束する。

最大限の配慮を行っても、どうしようもなく漏れてしまうモノがある。。
この記事の題名にしている「臭い」
あえて”臭”の字を用いたのは、解体工事を行うとカビ臭くなってしまう。

断熱材のグラスウールが黒ずみ、その周りの木材も影響にも及びカビが回っている。。
その臭いは実際にお住まいの時は気付きづらい。

新築当時は皆無ですが、長い時間をかけカビが少しずつ繁殖し
ほんの少しずつ臭いを発散する。

嗅覚は五感の中でも順応しやすい器官だそうで、条件次第で変化に気づかないことも多い。
加齢臭に本人が気づかないのも順応しているから。

長年暮らしていると順応しているので分からないが、解体した時に一気に解放され臭気が周辺に。
その臭いにお住まいになられていたお施主様も驚かれるほど。

解体現場をスッポリと包み込んでしまうわけにも行かず、、
悩ましい問題です。

 

日本は温暖湿潤な気候なので、湿気との戦いになるのだが
湿気を配慮していないグラスウールを用いた建築物には注意が必要です。

壁内に湿気が入らないように、ペーパーバリア(ビニールシートのような物)の施工が
標準工事として定められている。

ペーパーバリアを完璧に施工出来ればいいのですが、
施工精度にも限界があり、必ず湿気を弾いてくれるものではない。

少しでも隙間があれば湿気がグラスウールの中に侵入してしまい
グラスウールが濡れる ⇒ 乾かない ⇒ カビが発生する、という状態になる。

これはどうしても避けられない難題であるが、
実際に施工しているハウスメーカーは「問題ないです」と言うばかり。。

ここに建築業界の闇が垣間見れないだろうか。

解体現場を管理しながらいつも思うのは
新品同様の状態で解体されるグラスウールの少ないこと。

ご近所で解体される現場があればそんな目線でご覧になられてはいかがでしょうか。
新しいお住まいになにが必要か見えてくるかもしれませんね。

岩城直樹